《まとめ》三大阿弥陀堂と阿弥陀如来

こんにちは、はてはてマンボウです。マンボウ、とうとう三大阿弥陀堂を回ることができました。

富貴寺大堂、中尊寺金色堂、平等院鳳凰堂

大分県 富貴寺大堂

富貴寺は、仏像の集まる大分県に残る、九州最古の木造建築物でした。

岩手県 中尊寺

中尊寺には、栄華を極めた奥州藤原氏が作った、金色堂がありました。

京都府 平等院

平等院鳳凰堂は、藤原氏のつくった、優雅な庭園のなかに勇壮とたたずむお堂でした。

 

梓「マンボウちゃん、それぞれの阿弥陀堂の特徴をよく覚えていたね」

マ「あ、連理梓さん。ちゃんと覚えてたんですよお、あたしゃ有能ですから、おらおら~」

梓「ところでマンボウちゃんは、阿弥陀堂にまつられているのはなにか知っているかな」

マ「はて、阿弥陀堂っていうぐらいだから、阿弥陀さまなんじゃ」

梓「それじゃあ、阿弥陀さまってどんな人?」

マ「ま、まあんぼう」

阿弥陀如来ってなにものなの

梓「阿弥陀さま、つまり阿弥陀如来は、西のかなたにある極楽浄土に住んでいる。南無阿弥陀仏、つまり私は阿弥陀仏に帰依(きえ)しますと唱えると、それだけで唱えた者を極楽浄土へ連れていってくれる」

マ「その、帰依とは」

梓「頼りにして、すがること」

マ「なんまいだぶって、そういう意味だったんですねえ」

梓「他力本願って言葉があるだろう」

マ「他人に頼ってばっかりで、自分はなにもしない人を批判する言葉ですよね。えっへん、マンボウもそれぐらいはわかります」

梓「あれはそもそも、いい意味だった。つまり、自分を過信するのではなく、阿弥陀如来の御心に任せる、ぐらいがもともとの意味だ」

マ「はてえ。あれもこれも阿弥陀さま由来ですねえ。あ、そういえば阿弥陀仏って言葉、長野だか山梨だかでも聞いたような」

梓「善光寺如来だね。長野の善光寺から甲斐善光寺、岐阜善光寺などなどと方々を巡ったのち、長野へ戻ったんだった」

信玄公を巡る冒険╿山梨県の武田家史跡のご紹介
↑武田信玄にまつわる史跡のなかに、甲斐善光寺も出てきます。気にある人はチェックしてみてくれ~まあんぼう~

釈迦如来とはどう違うの

『飛鳥大仏』(奈良県 飛鳥寺)

梓「ところでマンボウちゃんは、阿弥陀如来と釈迦如来の違いがわかるかな」

マ「はて。阿弥陀さまとお釈迦さまって別人なんですか」

梓「同一人物だと思ってた?」

マ「うーん、そう言われると、別の人な気もしますねえ。正直なところ、考えたこともないです、はてはて」

梓「仏教を始めたのはだれかな」

マ「お釈迦さま?」

梓「正解。修行をしているうちに悟りを開いたのがお釈迦さま」

マ「ブッダとか言われてますよね。あの辺の呼び名がいっぱいあって、あたしゃ混乱しますよ、はてはて」

梓「ざっとまとめると次のとおりだ」

〇釈迦(シャカ):古代インドで仏教を始めたその人。「ゴータマ・シッダールタ」が個人名。シャカ族という王族の生まれだった。「釈迦牟尼(シャカムニ)」で「シャカ族の聖者」という意味になる。

〇仏陀(ブッダ):悟った人を表す普通名詞。仏陀を表す十の称号(十号)の1つが「如来」。如来は「真理から来た人」という意味。悟った人間は何人もいないので、「仏陀」と言うだけで釈迦如来その人を指すこともある。

マ「うーん、まだわからないような」

梓「『シャカ』とか『ゴータマ』っていうのが、お釈迦さま本人のこと。『仏陀』とか『如来』とかいうのが、称号みたいなものだね。学校の先生で考えるとわかりやすい」

マ「学校の先生?」

梓「たとえば、佐藤先生っていうと、『佐藤』がその人本人の呼び名で、『先生』が役職だよね。でも授業中に『先生、質問です』なんて子どもがいうときは、佐藤先生その人のことを『先生』と呼んでいる。同じ理屈で、単に『仏陀』と言っても、釈迦その人を指せる」

マ「釈迦如来だと、『釈迦」がゴータマ・シッダールタ本人の呼び名で、『如来』が役職、称号みたいなもの、ということですね」

涅槃仏(福岡県 南蔵院)

梓「さて、シャカ族の青年であるゴータマは、修行の末に悟り、仏陀となった。仏陀となった釈迦は、布教をしたのち、80歳でこの世を去る。釈迦が亡くなったときの様子を表すのが涅槃像。あとは、悟るための教えである『仏教』だけが残る」

マ「悟ったらどうなるんですか」

梓「輪廻転生から抜け出せる。この世は苦しみの連続だけど、死んでは苦しい世界によみがえりの連続の輪から『いち抜けた』ができる」

マ「マンボウは毎日が楽しいですけどねえ、まあんぼう」

梓「仏教発祥の地・インドでは、輪廻転生が信じられてきた。この輪廻転生から抜け出すことを目指して修行してきた。そのなかから出てきた教えの1つが仏教だ」

マ「それじゃあ仏教では、どうやったら悟れるんですか」

梓「修行」

マ「まぼ。大変そうねえ。マンボウ、なるべく楽なのがいいです、はてはて」

梓「釈迦はもともと、悟るための方法を教えるのは嫌がったんだ。一般人にはわかるわけないよって。それでも『どうすれば悟れるんですか』と信者にせがまれたから、悟るための方法を教えてあげた。やり方は教えたから、あとは自分でなんとか悟ってね。これが仏教」

マ「あれ、でもおかしいですよう、連理梓さん。さっき、阿弥陀如来の話をしたとき、阿弥陀如来はただ『なむあみだぶつ』と唱えたら、私たちががんばらなくても、極楽に連れていってくれると言ってたじゃないですか」

パラレルワールドを信じろ!? 大乗仏教と阿弥陀信仰

梓「それは、釈迦が死んでしまったあと、仏教の内容が変わったことが原因だ」

マ「変わっちゃったんですか」

梓「天台宗とか真言宗とか浄土宗とかいろいろあるだろう」

マ「たしかに。言われてみれば、バリエーション豊かねえ」

梓「マンボウ、さっき修行はいやだって言ったよね」

マ「そりゃそうですよう、のんびり回遊していたいです」

梓「修行するっていうのは、一般人にはハードルが高い。そこで、出家していない一般人へ救いの手を伸ばそうとしたのが大乗仏教だ」

マ「はて、そりゃありがたいわねえ」

梓「仏教が多様化するうちに、釈迦以外にも、いろんな如来がいてもいいんじゃないのかという考えが生まれた。でも、釈迦はもう死んでいない。そこで考えられたのが、パラレルワールドの極楽浄土」

マ「はて! 極楽浄土ってパラレルワールドだったんですか」

梓「西のかなた、とは言うものの、我々のいるこの世界とは別の世界だ。阿弥陀如来は、その西のかなたと我々の世界を行ったり来たりできる」

阿弥陀如来坐像(神奈川県 鎌倉市 高徳院)

梓「では、阿弥陀如来はなんのために極楽浄土へ連れていってくれると思うかい」

マ「まぼ。死んだあと、のんびりさせてくれるからじゃないですかねえ、まあんぼう」

梓「仏教のもともとの目的はなんだった?」

マ「悟ることです」

梓「悟ったらどうなる?」

マ「輪廻転生から抜け出せます」

梓「実は極楽浄土に行っても、まだ輪廻転生から抜け出せてはいない」

マ「まぼ?」

阿弥陀如来(奈良県 飛鳥寺)

梓「悟るための修行にもっとも適した環境が、極楽浄土だと言われる。生きるうえでのわずらわしさとか苦しさとかのない極楽浄土に生まれ変わって修行に専念しましょう、そうしたらそのうち悟って、輪廻転生から抜け出せますよ、というのが阿弥陀信仰だ」

マ「極楽でも修行しないといけないんですねえ」

梓「悟ることを大学入試にたとえて、極楽浄土を予備校と呼ぶ人もいるぐらいだ」

マ「でも、悟ることよりも、極楽に行ければ、もうそれでいいやって人のほうが多いような」

梓「実際、世の中の人間もそういう風に考えてしまう人が多かった。『釈迦如来だか阿弥陀如来だか知らないけれど、とりあえず『仏様』という存在を信じてナンマイダブと唱えれば、死んだあとも極楽に行ける』ぐらいに思っているのが大半だろう」

マ「でもそのうしろには、複雑な理論があるんですねえ。あ、そういえば、連理梓さん。天国と極楽は違うんですか」

梓「天国はキリスト教。極楽は仏教」

マ「あ、そうかも」

梓「似ているようでぜんぜん違う。だけど、この辺はまた別の機会に」

 

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↑↑「いろんな仏さまについて知りたい!」という方は、こちらをチェックしてみてくれ~まあんぼう~

この記事のまとめ

梓「ここまでの内容をまとめると、ざっと以下のとおりだ」

仏陀というのは悟った人。如来も同じ。

釈迦如来は、お釈迦さま。「悟ると輪廻転生を抜け出せるから、私の教えをもとに自分でがんばって修行して」と教えたのが最初の仏教。

仏教が変化するうちに、パラレルワールドの如来として生まれたのが阿弥陀如来。「南無阿弥陀仏と唱えれば、極楽浄土につれていってくれる」と信じられた。

マ「お釈迦さまと阿弥陀さまが何者かわかれば、仏像を拝むときも少し違った気持ちで手を合わせられるかもしれませんねえ、はてはて」

 

≫筆者:連理梓

参考文献
〇瓜生中(2011)『知っておきたい仏像の見方』(角川ソフィア文庫)
〇佐々木閑(2017)『別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した』(NHK出版)
〇中村圭志(2016)『教養としての仏教入門 身近な17キーワードから学ぶ』(幻冬舎新書)
〇橋爪大三郎、大澤真幸(2014)『ゆかいな仏教』(サンガ)
〇山折哲雄(2015)『仏教用語の基礎知識』(角川選書)

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