こんにちは、はてはてマンボウです。今回は瀬戸内海を回遊し、秋の宮島に来ています。
マ「おお、フェリーに乗っていると、いよいよ大鳥居が見えてきましたよ」
梓「マンボウちゃんは、厳島神社がいったいどんな神社か知っているかい」
マ「あ、連理梓さん。そういえば、海の上に鳥居が浮かんでいるとか、世界遺産だということは知っていましたが、それ以外のことはあんまり」
梓「それじゃあ、今回は海辺の宗教建築、厳島神社を旅しよう」
世界遺産・厳島神社╿でもどんな神社なの?
梓「『厳島神社』が世界遺産に登録されたのは1996年。背後にある宮島最高峰の山・弥山(みせん)の原始林とあわせて、世界遺産に登録された。ちなみに、正式な表記は『嚴島神社』」
マ「へえ、口の字を2つ並べるんですねえ」
梓「創建は飛鳥時代の593年。聖徳太子が摂政に就任したのと同じ年だ。かつてはだれも住めず、ただひたすらに『斎く(いつく)=心身の汚れをとり神に仕える』島であり、ここから厳島と呼ばれるようになった」
梓「その後、改築をされたのは平安時代後期の1168年。安芸守(あきのかみ)となった平清盛の援助により、廻廊でつながれた海上社殿ができたんだ」
梓「ちなみに、宮島のシカは、奈良公園のシカを平清盛が連れてきたものだというのは前も紹介したとおり」
《まとめ》神社仏閣に見る動物たち
↑↑「神社やお寺で見る動物たちの意味を知りたい!」という方はこちらもチェックしてくれ~まあんぼう~
梓「厳島神社がお祀りしているのは、宗像(むなかた)三女神と呼ばれる3人の神様。タキリビメ、タギツヒメ、そしてイチキシマヒメの三女神だ」
マ「難しいお名前ねえ。あ、でも、イチキシマヒメは『厳島』と関係がありそう」
梓「天照大神の子どもである宗像三女神は福岡県宗像の地に降り立ち、世界遺産・宗像大社で皇室守護や航海の神として祀られるようになった。そしてマンボウちゃんの言ったとおり、海辺の神社であるこの厳島でも、イチキシマヒメを中心とした宗像三女神が祀られるようになったというわけだ」
大鳥居に近づいてみよう!
梓「それじゃあ前置きはこの辺にして、厳島神社を回ってみよう」
マ「はて、貝なんて採る人がいるんですねえ」
マ「はて! たくさんの人が鳥居まで近づいていますよ。大鳥居って、海に浮かんでいるんじゃなかったんですか」
梓「干潮のときは、だれでも傍まで近寄ることができるんだ。我々も行ってみよう」
マ「すぐ近くから見ると、やっぱり迫力があるわねえ」
マ「こうやって近くから見ると、意外と複雑な形をしているのねえ」
梓「大鳥居は平清盛によって創建されて以来、何度か建て直されている。現在のものは1875年の明治初期に建てられた」
梓「色が変わっているところを基準に、満潮時にどれぐらいの高さまで水が来るのかがわかるね」
マ「あ、鳥居の足元には、小銭がたくさん」
マ「干潮のときなら、海側から舞台の写真を撮ることもできますねえ」
マ「あらら、いつのまにかまた海の上へ戻っています」
梓「潮の満干はざっと6時間ごとらしいから、朝から夕までいれば、満潮と干潮、両方の大鳥居が見られるよ」
廻廊の巡る日本最大面積の大社殿へ!
梓「昇殿料を納めて、手水舎で身を清めたら、入口へ進もう」
客(まろうど)神社、東廻廊
梓「摂社(せっしゃ)を横目に、最初は東廻廊を進んでいくよ。」
マ「摂社ってなんですか」
梓「神社の中にある、さらに小さな神社のことだね。本社とはまた別の神様を祀っている。この客(まろうど)神社では、天照大神から宗像三女神が生まれたときと同時に、天照大神の弟のスサノオから生まれた五男神を祀っている。この辺の古事記のエピソードは長くなるので、wikipediaを参照してみて」
マ「直角の角がいくつも続くんですねえ。柱と天上と手すりで窓を作って写真を撮るのも楽しいですね」
高舞台(たかぶたい)、御本社(ごほんしゃ)
梓「さあ、高舞台(たかぶたい)へ出てきたね」
梓「ここは、御本社のちょうど正面にあたる」
梓「さっき通りすぎた客神社も、ここからなら全貌が見られるね」
マ「五重塔と一緒に見られて、なんだかおトク感がありますねえ。こっちのほうが、まるで本社みたい」
マ「左右には立派な狛犬も控えているのねえ」
大国神社(おおくにじんじゃ)、西廻廊
マ「まぼ。境内の中に、また別の神社が。これもさっきの摂社(せっしゃ)ですね」
梓「大国神社では、出雲大社の御祭神である大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)が祀られている。縁結びの神としても知られているね」
日本の神が集うところ╿島根県 出雲大社
↑↑「オオクニヌシ、はて」「出雲大社のことが知りたい!」という方は、こちらもチェックしてくれ~まあんぼう~
梓「さあ、折り返し地点を過ぎたから、あとは西廻廊を進んでいこう」
マ「お供えされたお酒がいっぱいです」
マ「はて、不思議な提灯が」
梓「厳島神社の神紋だよ。神社の家紋みたいなものだね。これは『三つ盛り二重亀甲に剣花菱(はなびし)』だ」
マ「まぼ、呪文が」
梓「六角形は亀の甲羅。朱色の大きい甲羅の真ん中に小さい甲羅があるから、二重亀甲。それが三つに盛られている。亀甲の中には剣花菱(はなびし)が描かれている。だから『三つ盛り・二重亀甲に・剣花菱』」
マ「出口の近くまで来ると、大鳥居もずいぶん遠くになりましたねえ」
梓「豪華絢爛な朱色の旅を堪能できたね」
基本情報のまとめ
厳島神社
〒739-0588 広島県廿日市市宮島町1−1
≫筆者:連理梓
≫来訪日:2016.11.21
参考文献
〇『Pen+【完全保存版】ニッポンの世界遺産。』(CCCメディアハウス)(2017-12-29)
〇神社本庁(2012)『神社のいろは』(扶桑社)
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