こんにちは、はてはてマンボウです。このあいだ、武田信玄にまつわる史跡を訪ねて山梨県を巡ったマンボウ。今回は山梨ならぬ山形県へとやってきています。
信玄公を巡る冒険╿山梨県の武田家史跡のご紹介
↑「武田家史跡を詳しく知りたい!」という方は、こちらの記事もチェックしてくれ~。まあんぼう~
梓「信玄公を訪ねたなら、今度はそのライバルのことも知りたくなってきただろう」
マ「あ、連理梓さん。武田信玄のライバルといえば、上杉謙信ですよね。でも、上杉謙信といえば新潟県では」
梓「はてはてと心配しなくても大丈夫。今回は、上杉家にまつわる神社、その名もズバリ上杉神社を紹介するよ」
ヤマナシ? ニイガタ? いいえ『ヤマガタ』……上杉神社が山形にあるワケ
梓「上杉神社は上杉謙信を祭神とした神社だ。もともと、越後、つまりいまの新潟にあった祠を、江戸時代はじめに山形の米沢に移した。これが明治時代となって、正式に神社へと定められることとなる」
マ「どうして越後から米沢に祠を移したんですか」
梓「そのためには、上杉家の歴史をざっくりと語る必要がある」
梓「上杉謙信の時代、上杉家は越後を治めていた。『甲斐の虎・武田信玄』とあわせて『越後の龍・上杉謙信』と並び称されたのは有名だね」
マ「この2人が、川中島で何回も戦ったんですよね。やっぱり、新潟にいたんじゃないですか」
梓「ところが、謙信の養子である上杉景勝が家を継ぐと、事態は変わる。豊臣秀吉が戦国の世を統一すると、景勝は秀吉からいまの福島県、会津へ移るように命じられる」
マ「は、はてはて。どうして越後から会津へ移されたんですか」
梓「会津120万石へと領地は増やしてもらったので栄転だ。加えて、秀吉から信頼されていた景勝には重大な使命があった。福島県を基点として、北方を見ると伊達政宗をはじめとした東北諸大名、南方を見ると江戸を拠点とした徳川家康がいる」
マ「信頼できる景勝を、重要地に派遣したんですねえ。あ、でも、上杉神社は福島じゃなくて山形にあるのはどうして」
梓「いいところに気づいてたね。それは、もう一度、領地が変わるからだ。秀吉が死んだあとに起きた、東軍と西軍の戦いは」
マ「関ヶ原の戦い?」
梓「そのとおり。景勝は西軍、しかし関ヶ原の戦いは家康の東軍の勝利に終わる。結果、会津120万石を治める上杉家は、出羽30万石へと国替えのうえ領地も減らされた。以後、米沢の地は代々上杉家に統治されることとなる」
マ「一代のうちに、波乱万丈の時代を生きたんですねえ」
上杉神社を回ってみよう
梓「さて、上杉神社と山形の関係もわかったところで、境内を進んでいくよ」
マ「参道の入口から、旗がたなびいてますねえ」
梓「『毘』の字は、上杉謙信が毘沙門天の化身と自称していたことから掲げていた旗だ。『龍』は越後の龍だね」
梓「まずは、謙信公がまつられている拝殿へ」
マ「そういえば、拝殿と本殿の違いってなんですか」
梓「参拝者が手を合わせて拝むところが拝殿、拝殿の奥で鎮座して神様を祀っているところが本殿。神様の姿というのは基本的に隠されているものだ」
梓「稽照殿には上杉家由来の宝物があるから、要チェックだ」
梓「上杉謙信像が見えてきた」
マ「立派な銅像、風格があるわねえ」
梓「大河ドラマ『天地人』を記念した、直江兼続と上杉景勝の銅像だ」
マ「はて、上杉謙信以外の銅像が」
マ「はて、こちらにも」
梓「それは、上杉鷹山像だよ」
マ「た、たか……」
梓「ようざん、と読む」
マ「は、知ってましたよ」
なせばなる、なさねばならぬ╿自己破産を救った中興の祖・上杉鷹山
梓「上杉鷹山は、米沢藩の9代藩主。18世紀後半に米沢藩を治めた。当時の米沢藩はあまりに窮乏していたので、領地返上寸前となっていた」
マ「領地返上?」
梓「自己破産みたいなものだ。領地を手放し、その後の領地の処置はすべてお上に任せる」
マ「は、はてはて! 自己破産とは……」
梓「江戸時代中期はどの藩の財政も似たり寄ったり、火の車だったけど、特に米沢藩はひどかった。そんな米沢藩を救ったのが」
マ「上杉鷹山、というわけですね」
梓「質素倹約で班を立て直したことに加えて、藩独自の学校である『興譲館』を作った業績が有名だね」
マ「なんか、さっきから並んでいる上杉鷹山の説明を見ていると、『ジョン・F・ケネディが上杉鷹山を尊敬していたのはあまりにも有名』みたいな言葉が並んでいるのですが、はて」
梓「まあ、ケネディが尊敬していたのは都市伝説っていう噂もあるけどね。いずれにしても、そんな話が出るぐらいに、江戸時代の当時から現代にいたるまで、上杉鷹山の偉大さが語り継がれてきたということだ。写真は、鷹山が残した名言」
マ「なせばなる……いい言葉です」
梓「マクフライ家でも家訓として取りあげられているぐらいだからね」
マ「はて、マクフライ」
梓「山形旅行から帰ったら『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を見てみるといいよ」
基本情報のまとめ
☆上杉神社 ≫「やまがたへの旅」(山形県観光情報ポータル)
〒992-0052 山形県米沢市丸の内1丁目4
≫筆者:連理梓
≫来訪日:2013.11.02
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