こんにちは、はてはてマンボウです。今回は紀伊水道を回遊しています。なんでも、今回は魚のいない不思議な水族館だか博物館だかが、和歌山の奥地にあると聞いております。
はて! とっても大きな骨格標本がお出迎えとは。
梓「これはシロナガスクジラだよ」
マ「あ、連理梓さん。和歌山県の奥になぜこんな骨格標本が」
梓「それはここがクジラ専門の博物館だからだ。今日は、エンターテインメントと博物館が楽しめるこの場所で、クジラにまみれてもらう一日になるからお楽しみに」
くじら博物館の概要とアクセス
梓「太地町立くじらの博物館は、水族館と博物館が一体となったクジラ専門施設。クジラの生態、利用法、クジラ漁などクジラにまつわるさまざまな展示をしているんだ」
マ「和歌山県ってたしか、クジラの追い込み漁で有名でしたよね」
梓「江戸時代から続く捕鯨の歴史を持っているのが、ここ太地町。太地駅まで、新大阪からは特急「くろしお」で直行できる。名古屋からはJ特急「南紀」で紀伊勝浦まで、そこから普通電車に乗換え。どちらでも、ざっと4時間で到着だ」
マ「和歌山の南側って遠いんですねえ」
梓「和歌山駅からでも、特急『くろしお』で3時間かかるからね」
マ「はて! 3時間」
梓「まあまあ。道中、和歌山から南に抜けると、列車は海のすぐそばを何度も通るから、車窓もたっぷり楽しんで。太地駅に着いてからは、バスで10分だから、駅からはすぐだね」
世界でも珍しいクジラ専門博物館
梓「くじらの博物館は、クジラだけに特化した博物館。まずは、たくさんの骨格標本から見てみよう」
マ「はて! けっこう凶悪なお顔がお出迎えです。恐竜みたい」
梓「これはシャチの骨格標本だ」
マ「へえ、あのパンダみたいにかわいらしい外見の中にはこんな骨格が隠れていたんですねえ。逆に、この骨格からあの外見を想像するのは無理かも」
梓「クジラは歯の違いで食べる餌も変わるんだ」
梓「ハクジラは魚を中心に食べるけど、ヒゲクジラは水を飲みこんだときにプランクトンをこしとって食べるんだ」
マ「口の中ってこういう風になっているのねえ」
どうしてこんなところにダイオウイカ!? クジラの生態のあれこれ
マ「はて、こんなところにクジラの耳垢でしたか。こりゃ大きいわねえ」
マ「まぼ。なんだかできそこないのカピバラみたいな骨格と絵が」
梓「それは、クジラの祖先だ」
マ「はて! なんだか似ても似つかない感じ」
梓「クジラ類の祖先はこのように、いったん陸に上がったんだけど、このあとはまた海へと帰っていく」
マ「はてはて! こりゃまたクジラに負けず劣らず巨大なイカ!」
梓「ダイオウイカは、マッコウクジラが食べることもあって、展示されているんだね。世界最大の無脊椎動物だ」
マ「世界最大! こりゃたまげたわねえ」
梓「ここには載せていないけれど、クジラの身体の各部位や胎児のホルマリン漬けも展示してある。たいへん興味深い展示で、大人も楽しめる内容が続くよ」
クジラを利用するときに先祖が語ること
梓「くじらの博物館に展示されているのは、骨格標本だけじゃないよ。まずはクジラから作られるもの一覧」
マ「なんだか昔の社会の教科書って感じねえ。なになに、パイプにろうそく、はて」
マ「はて、口紅も」
マ「へえ、クジラのソーセージやすきやきも食べていたのねえ」
梓「ちなみに、施設内のレストランでは、クジラを使った料理も楽しめる」
マ「こりゃあ、クジラの竜田揚げでしたか。昔の人は、これが主食だったんだから、不思議ねえ」
マ「はて、これは。絵が描いてあります」
梓「これは、さっきも出てきたクジラの”ひげ”に、船を描いたもの。ひげとは言うけれど毛とは違った形で皮膚が変化したものだ」
梓「ここからは、捕鯨の歴史についての展示が続くよ」
マ「昔は、人間がおおぜい集まって、銛を使った漁をしていたのねえ」
梓「マンボウちゃんは『大背美流れ』(おおせみながれ)って知っているかい」
マ「はて、なんですかそれは」
梓「明治の初期に、欧米がクジラを乱獲した影響で、太地町はクジラの不漁にあえでいた。そこで荒天の海でも捕鯨に行かなければならず、このとき遭難した100余名が死亡または行方不明となった。このため、太地町では、古くからの捕鯨方法は途絶えてしまう」
マ「ずっと続いていた伝統も、一瞬で失われることがあるんですねえ」
梓「この事件は、太地町の捕鯨方法が、近代的な捕鯨方法に切り替わるきっかけともなった」
マ「マンボウちゃんには、ホラ貝はちょっと難しいかも」
マ「時代が変わると、使う道具も変わっていったのねえ」
イルカショーに……クジラのショー!?
マ「お、屋外ではイルカショーもやってますね♪」
梓「博物館内に生きた生物の展示はないけれど、イルカ・ショーが見られるのがこの博物館の特徴だ」
マ「魚のいない水族館、というわけですね」
マ「はて、芸達者ねえ。マンボウちゃんも自慢のつけ鼻を使えば回せるかしら」
マ「高々と飛びました! すごいすごおい」
梓「さて、イルカショーの次は、クジラショーを観にいこう」
マ「はて! クジラもショーをするんですか」
梓「クジラショーエリアは、入江を仕切って作られたプール。より自然に近い形となっている」
マ「はて、こんなところにクジラが」
マ「はて! あれはイルカでは」
梓「ゴンドウクジラだね。クジラ類ではもっとも小さい部類で、ゴンドウイルカと呼ばれることもある」
マ「そういえば、クジラとイルカは『大きさでわけられる』という話を以前していましたね」
梓「遺伝子的にもイルカに近いそうだよ」
マ「やっぱり、イルカよりは少し大きいかしら」
マ「ダイナミックに飛び跳ねますねえ……おや」
マ「はて」
マ「はて! クジラの背中に乗ってます。マンボウちゃんも優雅に乗ってみたいわねえ」
基本情報のまとめ
☆太地町立 くじらの博物館 公式HP
〒649-5171 和歌山県東牟婁郡太地町太地2934−2
≫筆者:連理梓
≫来訪日:2014.07.28
水族館 相互リンク
↑↑くじらの博物館には、水族館もついているんですよ~気になる人はチェックしてみてくれ~まあんぼう
↑↑↑日本全国でマンボウが回遊した水族館の記事はこちらにまとめてあります。
水族館好きのみなさんはぜひ、チェックしてくれ~まあんぼう~