甘木鉄道 松崎駅
大添ため池で3羽のコウノトリを見たあと車を止めた甘木鉄道松崎駅に戻ってきました。左手に9台ほどの無料駐車場があります。
松崎駅は無人なんですが駅前には花が植えてあったりちゃんと管理されていますよ。
小さな松崎駅舎前には地域の案内地図がありました。
ん!すぐ近くに松崎宿という宿場町跡の油屋っていうのがあるやないの。行ってみよ。
松崎宿に行く前にちょいと駅舎を見学です。中はこじんまりしたこんな感じです。
レールバスって言うんですね甘木鉄道。通勤通学時間帯は1時間に4本、その他の時間帯は1時間に2本といった具合です。
無人なので改札もなくホーム側に出てみました。自然に咲いたのでしょうか、菜の花が満開です。
駅舎の右手に外から入るトイレがありました。
旧松崎宿 油屋
Googleマップで見ると右手が松崎駅です。
大添ため池のことが「大添堤」になっていたので変更願いをGoogleマップに出しときました。まめ。
さっき言った道を戻ってすぐですわ。
さて松崎駅を出ると道路に松崎宿までの案内シートが貼ってありました。沢山あるので現地までとてもわかりやすいです。
しかもこんなでかい案内シートもあります。
松崎宿油屋 油屋は江戸時代に建てられた旅籠である。西郷隆盛が宿泊したという言い伝えも残され乃木希典が昼食・休憩をとったことが日記に残されている。小郡市指定有形文化財。
すぐに到着しました。「御宿」「油屋」と看板があります。
長野の中野市だったかな、同じように油屋という屋号の宿に泊まったことがありました。油屋と宿ってなにやら関係があるのかもしれませんね。
宿の正面まで歩いてきました。ちゃんと公共の案内板もあります。
江戸後期の建物だそうです。左手の入り口は武士専用入口で母屋のでかい部分は一般人の宿泊所だそうです。
大正時代とかには左手は2階建てに増築されていたそうですが、復元の際に平屋にもどし、入口の門も無かったのですが礎石が見つかり想像で復元したそうです。
Googleマップで見ると目の前の道路は「秋月街道」となっていますが、薩摩街道という旗がありました。お聞きしたところ特に薩摩街道という名前があるわけではないようです。西郷隆盛とか島津斉彬とか篤姫とか薩摩にゆかりある人達が多く宿泊したことから最近名づけたようです。
中に入るとこのようになっていました。無料ですからありがたいです。奥の事務所から男性がでてきて説明をしていただき勉強になりました。
奥に進むと春ですねっ。ひな人形が飾ってありました。
ここから靴を脱いで上がらせてもらいました。左手にある階段から上に上がります。
ひな人形は、なんだか筑後らしくてホッとします。
階段は昔の建物ですから幅がゆったりしています。
上がり終わって正面に西郷隆盛が宿泊したというお部屋がありました。
この松崎宿は110軒以上の宿があり、この油屋さんはナンバー3だったと思われるそうです。
西郷隆盛の泊まった宿から左手が宿の前の秋月街道です。奥に3部屋並んでいます。
江戸時代の宿はこのように隣の部屋との間が襖ですから、時代劇に見られるように隣の部屋の話し声が丸聞こえですよね。
左手の障子をあけてみました。濡れ縁があって風情があります。
宿の裏手を見るとこのようになっています。これはお風呂だそうです。昔の家ってお風呂は外ですよね。その近くにトイレ跡もあるそうです。
復元されたという隣の武家専用の小さな建物の方を案内してもらいました。これは道路から門をくぐったところにある入口です。松脂がべったり。昔は松を建築材料に使っていた様子がわかります。
さて、中に入ると胞衣壺なる案内がありました。案内版の右手に小さな四角い畳がありますよね。
薩摩の黒じょかのような形の器がありましてこの中に赤ちゃんが生まれたときの胎盤を入れて埋めたそうです。
武士が入っている入口にあるので沢山の人が上を通った方が踏まれて鍛えられて良いのだという考えだそうです。
黒じょかに確かに似ていますが、黒じょかは基本もっと小さなものですよとお話しました。色も黒ですし、このような色のものは見たことないです。
この色のこの形のものが複数見つかっているそうです。
胞衣とは胎児を包んでいた胎盤のことです。胞衣の埋め方が悪いと生児の健康や性格などにも関わってくると考えられ、その処理には多大な注意が払われました。平安時代には素手に作法が存在し、16世紀ごろには庶民へも風習が広がりました。【説明版より】
この地域にそのような風習が残っているのかお聞きしましたが聞いたことないそうです。
ここは薩摩や肥後の人たちが福岡に行く途中の宿場だから風習が持ち込まれたのではないかと言われました。私は鹿児島出身だけどそんな風習は聞いたことないとお話しました。
また「松崎」という名前は鹿児島に多いので、松崎宿の由来についてお聞きしたところ、もともと鶴崎という地名だったものを持ち主だった佐賀藩の方が松崎と変更したそうです。お聞きするといろいろあるものです。
ついでに鹿児島のナンコについても談義しました。私も父親の形見にしている6個のナンコがあるのですが昔は娯楽がなかったのでそれも田舎ではなおさらでした。夜に父の知り合いがやってきてナンコをしながら負けた方が焼酎をおちょこで延々と飲まされるのを見ていました・・
ナンコは3本の小さな四角い木の棒を手にもってお互い同時に手を出し、見えないナンコの数を当てあうものです。相手の持っている木が1本と思ったら「天皇陛下」と言っていました。3本だったら「犬のしょんべん」と言っていました。2本は・・忘れました。懐かしい。
武家の専用宿泊所の奥には欄間がありまして、なんとこれ無垢の木の削り出しだそうです。その長い削り出した棒を左右斜めに組み合わせたものです。
こんな立派な組子なので、復元した際にはその下の木冊子も同じように職人に要望して作らせたそうです。
さて立派な松崎宿油屋に寄ってみて楽しかったです。松崎駅に戻ってきました。大添ため池から踏切を渡って菜の花が沢山あったのでそこから松崎駅のホームと小さな駅舎をパチリ。
甘木鉄道松崎駅のレールバスを撮影しました。
同日に訪問した先の記事
≫【 福岡県】 東洋最大の軍事飛行場は特攻隊基地でもあった │ 筑前町の太刀洗平和祈念館
≫【 福岡県】 とんこつアルカリスープの「とんこつ うどん」 │ 筑前町の太陽軒 本店
≫【 福岡県 】 特別天然記念物、コウノトリ3羽が福岡に冬季滞在中 │ 小郡市の大添ため池
☆旧松崎宿 油屋
〒838-0122 福岡県小郡市松崎786−1
≫googleMapで開く
TEL:0942801920
開館時間:09:00~16:30
定休日:日曜、月曜、祝日
≫旧松崎宿 油屋 公式ホームページ
≫筆者:おのちん
≫来店日:2021.03.06