こんにちは、はてはてマンボウです。このあいだ、大塚国際美術館に行って美術に興味が湧いてきたけれど、美術作品って数が多すぎて、なにがなにやらで、はてはてのはて。
丸1日楽しめる世界の絵画╿徳島県 鳴門市の大塚国際美術館
↑「大塚国際美術館の絵画の世界を知りたい!」という方は、こちらの記事もチェックしてくれ~。まあんぼう~
梓「困っているようだね、マンボウちゃん」
マ「あ、連理梓さん。美術作品を楽しむときのポイントを教えてください」
梓「ギリシャ・ローマ!」
マ「うわあ、急に大きな声を出さんでくれ、た、たのむう~」
梓「今回のマンボウちゃんには美術史から解説しようと思う。まずは、すべての西洋絵画が通じる、古代の世界の解説をしよう」
「古代」っていつからいつまで?
マ「古代って言いますけど、これっていつからいつまでなんですか」
梓「いろいろな定義があるけれど『大塚国際美術館 図録300選』によると、ざっと紀元前17世紀から、紀元4世紀ごろまでを指す」
マ「に、2,000年もあるんですか、はて……」
梓「とはいえ、次の2つのポイントを押さえておけばいい」
①始まりのギリシャ世界
②受けついだローマ帝国
マ「あら、意外とすっきり」
あらゆる文化が蓄積されたギリシャ世界
梓「これは『ペルセウスとアンドロメダ』。なんの神話に出てくるか知っているかな」
マ「神話といえば、ギリシャ神話よねえ」
梓「そう、神話といえば、ギリシャ神話。現代にまで続いているこの常識が、3,000年以上も続いてきたわけだ」
マ「昔から、神話の登場人物が絵に描かれてきたんですねえ」
マ「1枚目にはヘラクレス、2枚目にはケンタウロスが描かれているのねえ。どっちも聞いたことがあります」
梓「多種多様なキャラクターが、いくつ数えたって足りない神話の世界を鮮やかに彩る。この、ギリシャに始まった豊かな文化を受け継いだのがローマ世界だ」
ギリシャ世界の継承者、古代ローマ
梓「これは『ディオニュソスの秘儀』」
マ「ディオニュソスってなんですか。またまたギリシャ神話でしょうか」
梓「そのとおり、ディオニュソスはブドウ酒をつかさどるギリシャ神話の神。さて、この絵は南イタリアのポンペイの遺跡群から見つかった壁画のうちの1つだ」
マ「はて、イタリアから、ギリシャ神話の絵が出てきたんですか」
梓「なかなか、鋭い指摘だね、マンボウちゃん」
マ「おーほっほっほ、おらおら有能マンボウだぜえ、おらおら~」
梓「では、どうしてギリシャ神話の絵がイタリアから出てきたか、わかるかい」
マ「は、はて。それは……まあんぼう」
梓「ローマ帝国は聞いたことがあるかな」
マ「はい、聞いたことぐらいは」
梓「隆盛を誇ったギリシャ世界も、やがてそのあとに出てくるローマ帝国に呑みこまれる。しかし一方で、ギリシャ世界の影響を強く受けることになる。ギリシャ。イタリアのローマの地からギリシャ神話の絵画が出てきたのも、そのためだ」
マ「はて、影響を受ける。ローマの人たちが、ギリシャ神話を信じたってことですか」
梓「ローマにも、もともと信じられている土着の神々がいた。ところがギリシャの神々でローマの神々に似ているものがいると、それらを同一視するようになった」
マ「同一視?」
梓「たとえば、この『貝殻のヴィーナス』はローマ神話に出てくる愛の神様だ」
マ「ヴィーナスはマンボウもよく聞きます」
梓「もともとはギリシャ神話にアフロディテという愛の神がいた。そのアフロディテの性格や彼女にまつわるエピソードが、ローマ神話ではヴィーナスに吸収されたんだ」
マ「なんと」
梓「もう1枚も同様で、ギリシャ神話に出てくるアフロディテの愛人である軍神アレスは、ローマ神話ではマルスと呼ばれる。だからこの時代はしばしば、ギリシャ・ローマ時代とひとくくりで呼ばれるようになる」
この記事のまとめ
梓「今回は次の2つのことを覚えておくといい。
①古代世界の文化の基礎はギリシャ世界で生まれた
②ギリシャ文化はローマ世界へ受けつがれた
マ「それならマンボウでも覚えられます、はってはて♪」
梓「さて次からは、中世の美術を見てみよう」
《ページ内リンク》
☆大塚国際美術館 概説「丸1日楽しめる世界の絵画╿徳島県 鳴門市の大塚国際美術館」
☆美術史 解説
・古代
・中世
・ルネサンス
・バロック
・ロココ
・新古典主義とロマン主義
・写実主義
・印象派
・象徴主義
≫筆者:連理梓
※「はてはてマンボウのブログ」は移転しました。
はてはてマンボウの 教養回遊記 (hatehatemanbou.com)
参考文献
〇大塚国際美術館・NHK文化センター・有光出版株式会社(1998)『西洋絵画300選』(有光出版)
〇城一夫(2012)『常識として知っておきたい「美」の概念60』(パイ インターナショナル)
〇早坂優子(2006)『鑑賞のための西洋美術史入門』(視覚デザイン研究所)
〇早坂優子(1996)『巨匠に教わる絵画の見かた』(視覚デザイン研究所)